「明日はいよいよ期末試験最終日だ。 範囲は分かってると思うが、方程基礎のTと、科学論理のVだな。 しっかり勉強してくるように。 では解散。」 はぁ・・・。やだなぁ。 明日の試験・・・。あたし科学大っ嫌いなのにぃ。。 一週間続いた期末試験も明日で最後。今日は徹夜になりそうだ。 夜食でも買いに行こうかと思いつつ、帰ろうと席を立った瞬間。 ドカッ と頭に鈍い音。 「っ・・・痛っ!!」 振り返るといつもの顔。 「ぉっと悪ぃ。気づかなかった。」 「ハルト!!!」 こいつは幼馴染のハルト。 家がお隣さんで、昔からの腐れ縁。 「サクラぁ〜。お前いいかげんこのパターン慣れろよぉ。俺もう飽きたわww」 「何が飽きたよ!!毎日毎日人の頭殴っといてエラそーにしないでよ!!」 「ったくこいつはいつもいつもピーピーうるせーな。ほら、早く帰るぞ。皆さんの迷惑だろ。」 「はぁ?メーワクなのはあんた・・・」 はっと振り返ると、クラスメイトの視線が痛い。 放課後の教室は、真面目さんたちの学び場となるため、 もはやあたしたちは勉強の邪魔をする 迷惑な人たちになっていた・・・。 「・・・・すぃません。」 急いで教室を後にし、お返しにハルトの頭を叩く。 「・・・バカッ!!」 「あれっ、今なんか頭にさわったかな〜?」 「もう!!あんたなんか科学より嫌いだもん!!」 「そんな怒んなって!!俺様が科学教えてやるから!!」 「・・・なんであんたは科学が得意なのよ!!!! 納得できないッ!!」 「天才ですから!ははは」 「調子に乗らないの!!このバカ!」 「てめっ、バカバカ言うなコラ!!科学教えてやんねーかんな!!」 「誰も教えてなんて頼んでないし!!」 「・・・あっそ。」 「・・・・・。」 「俺、こないだの科学演習、満点だったんだよね。」 「・・・・・。」 「サクラって〜。たしか42点だったよーな気が・・・」 「・・・・・。」 「まっ、俺にはかんけーないけど」 「24点だもん・・」 「え」 「24点だもん!!!」 「まじかよお前!!やばくね??」 「・・・そんなの分かってるもん・・」 「・・・ったく・・お前がそこまでバカだったとは・・・ しょうがねーから俺様が教えてやる!!」 「ごめん」 「??」 「さっきごめん。言い過ぎた。やっぱり教えて欲しい。。。」 「・・・ったくほんと、世話が焼ける奴ww まぁ、俺様にかかればどんなバカでも一夜にして天才に変わるけどな。」 ポンポンと頭を叩き、 にこっと微笑むハルト。 なぜかあたしはこの笑顔に弱い。 普段はいじわるなのに、たまにすっごく優しい時があるんだよね。 「ありがと・・・」 だからあたしも素直にありがとうが言えちゃうんだ。 人って不思議・・・。 「テスト終わったら、一週間俺のパシリねww」 「はぁ〜!!??」 こんな会話は日常茶飯事。 だけどなんだか楽しくて、ハルトとはずっとこんな関係でいられたら いいなって思ってるんだ・・・。 一番仲良しで、トクベツな男の子。 それがハルト。